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採択奨学生の動き

2016年度活動報告会レポート[9]

清水唯歩さん 日本福祉大学社会福祉学部4年生

2017年3月23日に行われた2016年度活動報告会で、1期生が発表した内容をレポートします。第9回は、日本福祉大学社会福祉学部4年生の清水唯歩さんです。(※学年や時制は報告会当時です)

 

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清水さんは、大学を無事に卒業したことを報告し、奨学生となった最後の1年にとどまらず、大学生活4年間について発表を行いました。「この奨学金がなければ学校を続けるのが大変だった」という他の奨学生の言葉を引きながら、自分もまさにそうだったが何とか乗り越えられた、と話しました。

 

清水さんはまず、1年生時はこの先大丈夫かという不安が出てきた、と紹介しました。入学当初の一時的な気持ちの盛り上がりが覚めた後、人との付き合いなどにもお金がかかる現実が見えてきたからだそうです。そして、2年生時はアルバイト漬けとなり、このまま大学を続けていくべきなのかを自分に問いかける時期が続いた、と話しました。

 

続けて清水さんは、3年生になるとこのままではいけないと考え、限られた時間の中でも外に向けて活動をしていこうと考えた、と紹介しました。NPO法人のボランティアやファミリーホームのアルバイトを始め、これを転機に、物事がうまく回り始めたことを説明しました。3年生の冬には夢の奨学金の奨学生に選ばれましたが、それも、こうした活動の中から情報が入って来た結果だったと指摘しました。

 

4年生になると、日本財団からの奨学金を得ることができ、今まで金銭的な事情からできなかった活動ができるようになったと紹介しました。例えば、旅行や友人との外食です。清水さんは、新年度からも学生生活が続く他の奨学生に向けて、「もちろん無駄遣いは良くないですが、それ以外に自分でチャレンジしたいことは、どんどんチャレンジしたらいいと思います」とアドバイスしました。

 

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ユーモアも交えた清水さんの発表

 

最後に清水さんは、自分が4年間を乗り越えられたのは、「厚かましさがあったから」と総括しました。「家族間だと厚かましくなれるけれど、自分たちにはそうした家族が少ないし、自分にはほとんどいない。だから、周りの人に、そうした家族のように接してもらえるよう、自分から心を開いて接してきました。そのおかげで、自分に家族のように接してくれる人がたくさんできた。厚かましさというのはマイナスではなく、一歩踏み出す勇気として、プラスの意味でとらえていってもいいのではないかなと思っています」と語りました。