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採択奨学生の動き

2016年度活動報告会レポート[5]

熊谷モニシャさん 日本福祉大学国際福祉開発学部2年生

2017年3月23日に行われた2016年度活動報告会で、1期生が発表した内容をレポートします。第5回は、日本福祉大学国際福祉開発学部2年生の熊谷モニシャさんです。(※学年や時制は報告会当時です)

 

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熊谷さんは、3歳に養護施設に預けられ、4年生から里親さんにお世話になってきた生い立ちと、2016年度から独り暮らしを始めたことなどを紹介し、1年間の活動を時系列で報告しました。

 

4月は、新入生が学校や新生活になじめるようにする春季セミナーというイベントの委員を務めました。5月から8月にかけては、ワールド・ユース・ミーティング(WYM)と呼ばれる国際イベントの企画に携わりました。また、TOEICを1年で4回受けたと紹介し、英語学習にも力を入れたことを伺わせました。

 

中でも、WYMは、「(その4カ月は)頭の中が、ミーティングのことだけだった」と言うほど、大きな取り組みだったそうです。これは、熊谷さんの学部が企画するもので、海外参加者の宿泊やビザの手配などを、1、2年生約100人で手分けをして行いました。熊谷さんは、韓国の参加者と寝食も共にしました。

 

夢の奨学金を得てからの変化として、熊谷さんは「精神的な自立」を挙げました。独り暮らしやアルババイトなどを始めたことが大きいと振り返ったうえで、「奨学金のおかげでこうした変化に余裕をもって向き合えました。本当に感謝しています」と語りました。

 

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「精神的な自立」が、夢の奨学金を得てからの大きな変化

 

特にアルバイトでは、自閉症などの子のための放課後児童デイサービスで働き、こうした子どもとの関わりの中で、「人とのコミュニケーションが得意になった気がします」と熊谷さんは語りました。また、友人関係でも誰かのために動くことが多かったと言い、「信頼を寄せ合えることはこんなに嬉しいことなんだと、家族以外の人に対して初めて思いました」「精神的な自立は自分の力で立つということだけではなく、周りの人とどう関わるかを自分で考えて、行動することなんだなと今年学びました」と振り返りました。