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思いのつまった申請書が夢を叶えるチケットに「あったらいいな」を形にした、社会的養護のもとで暮らした若者を対象とした給付型奨学金制度
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日本財団は2016年4月、奨学金制度をスタートさせました。その名も「日本財団 夢の奨学金」。対象は事情があって家族と暮らせなかった、いわゆる社会的養護のもとで暮らした若者です。何らかの事情により親元で暮らすことができない社会的養護の子どもは、原則として18歳を迎えると、児童養護施設や里親家庭など、それまで暮らしていた場所から出て行くことが求められます。こうした若者は全国で毎年2,000人ほどいて、その多くが住居費や生活費を捻出するための就労を余儀なくされています。そして、経済的な理由に加え体力的・精神的な疲労から、進学をあきらめたり、進学しても長く続かなくなったりするケースが圧倒的に多いのが現状です。例えば、厚生労働省の調査によると(2021年5月発表)、大学や専門学校への進学率は一般の若者が74%なのに対し、施設出身者は33%となっています。また、就職をしても低賃金や不安定な就労形態のもとで働くことが多く、いざという時に頼れる親や故郷もない中で、厳しい生活を強いられている人が多数存在します。このように、社会的養護のもとで暮らした若者については、「『親なし』だけでなく『家なし』『学歴なし』という3重のハンデを負いやすい」という声が聞かれていました。そこで日本財団では、社会的養護のもとで暮らした若者を対象とした奨学金を創設しました。大切にしたのは、ハンデを克服するために真に必要なことは何か、ということです。「こんな奨学金があったらいいな」という要素を現場の専門家から聞き取り、一つ一つ加えていきました。「夢の奨学金」というやや月並みな名前も、そうした背景から実を伴うものとして付けました。特徴の一つは、学費全額に加えて生活費や住居費もカバーすることにあります。勉学やサークル活動といった学生としての経験をバイトのためにあきらめず、できるだけ多く積んでもらうようにするためです。また、全ての奨学生に夢の奨学金ソーシャルワーカーが寄り添い、悩みごとの相談にのり、サポートを提供します。これも、社会的養護のもとで暮らした若者は精神的に追い詰められる傾向にある、という現場の声から盛り込みました。「日本財団 夢の奨学金」は2016年度、愛知、岐阜、三重の3県の居住者のみを対象にパイロット事業として実施し、2017年度から全国へ拡大しました。 2024年4月現在、110名以上が奨学生として採択されています。
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未来を諦めないその強い意思に応えるために、「夢の奨学金」は大学進学や資格取得などにむけて、ステップアップをめざす社会的養護のもとで暮らした若者を応援します。
- 事業目的
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- 社会的養護のもとで育った人の自立支援
- 自己実現につながる大学・専門学校への進学を応援し、社会で活躍するロールモデルをつくる
- 「日本財団 夢の奨学金」の特徴
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- 給付型
- 卒業までの授業料+生活費+住居費
- 学部制約なし
- ソーシャルワーカーが伴走
- 中退者・既卒も可
- 選考基準
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- 明確かつ現実的な 人生プランが示せる
- 後輩が憧れ、目指せる ロールモデル性を備える
- 決めたことは行動に移す 実行力がある
- 視野が広く、人間性が豊か
- 人生プラン実現への強い 情熱を持っている
- 掲載記事
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「可能性広がった」児童養護施設から進学 奨学金が支え
https://www.asahi.com/articles/ASM5K33DQM5KUTIL00G.html
朝日新聞デジタル:2019年5月19日2)【ソーシャルイノベーション日本財団の挑戦】
(31):国内事業開発チーム・芳川龍郎「夢の奨学金」/諦めず3重ハンディ克服を
https://www.jmd.co.jp/article.php?no=210114
日本海事新聞:2016年3月15日